彫刻刀が刻む戦後日本(町田市立国際版画美術館) Post-War Japan as Inscribed by the Printmaker's Knife (Machida City Museum of Graphic Arts)
戦後版画運動と教育版画運動という、戦後の2つの民衆版画運動を紹介した展覧会。 版画という芸術が、民衆運動を結びつくということがとても興味深い。版画は1つの版木からたくさんの作品を作ることができ、多くの人に届けることができるので、それが民衆運動にとっては都合が良かったのだろう。 戦争で子供や孫を亡くしたドイツのケーテ・コルヴィッツの版画が中国に渡り、魯迅らがそこから中国独自の版画運動を展開した。 その運動が広く日本でも紹介されて、それが日本の民衆運動にも取り入れてられていった。 とてもローカルな運動のように思える戦後版画運動が、そうした国際的な背景を持っていた。 後半の教育版画運動の展示では、会場に全国の子供たちが共同で制作した巨大な版画作品が展示されていた。 自分たちが暮らす村や町を描いたものや、地域に伝わる伝説などを描いたものもあった。 作品がとても大きいということもあったが、子供たちが一緒になって、おそらくはわいわい言いながら掘り上げっていったそのダイレクトな表現にとにかく圧倒された。 An exhibition that introduces two postwar popular print movements, the postwar print movement and the educational print movement. It is very interesting that the art of printmaking connects the popular movement. Prints can make many works from one woodblock and can be delivered to many people, which may have been convenient for the popular movement. The prints of Käthe Kollwitz of Germany, who lost their children and grandchildren in the war, went to China, and Lu Xun and others developed their own print movement from there. The movement wa