スキップしてメイン コンテンツに移動

生誕100年 山下清展 百年目の大回想(神戸ファッション美術館) Yamashita Kiyoshi, The 100th of his birth (Kobe Fashion Museum)

 

幼い頃に、山下清を主人公にしたテレビ・ドラマ・シリーズを見ていた記憶がある。

芦屋雁之助が山下清に扮して、全国を放浪している山下清と、それぞれの地方の人々との交流を描いていたように記憶している。

山下清という存在は、当時はあまりにポピュラー化していたので、アーティストとして正面から捉えることはできなかった。

後年、長岡の花火を描いた貼絵の作品がテレビで紹介されているのを見て、改めてその作品の凄さを実感した。

それとは別に、民藝運動にも助力していた精神科医の式場隆三郎が、山下清の支援を行っていたことを知って、よりその存在に興味が湧いていた。

この神戸ファッション美術館の展覧会では、そんな山下清のことをよく知ることができる、またとない絶好の機会となった。

会場には、八幡学園に入る前の絵から、学園に入った後に始めた貼絵、放浪の旅から帰った後の作品や、ヨーロッパ旅行で見た風景を描いた作品、絵付けを行った陶磁器など、山下清の多彩な芸術世界が展開されていた。

どうしても目にしたかった長岡の花火は、意外と小さな作品だったが、近くによって目を近づけると、その精巧な貼絵の技術に圧倒された。

生誕100年を迎えて、山下清というアーティストは、ようやく正当に評価される時代が訪れたと言えるのかもしれない。

I remember watching a TV drama series with Kiyoshi Yamashita as the main character when I was young.

I remember that Ashiya Gannosuke, dressed as Kiyoshi Yamashita, portrayed the interaction between Kiyoshi Yamashita, who is wandering around the country, and the people of each region.

The existence of Kiyoshi Yamashita was so popular at that time that I couldn't see it head-on as an artist.

Later, when he saw a work of a pasted painting depicting fireworks in Nagaoka being introduced on TV, he realized the greatness of the work again.

Apart from that, I was more interested in its existence when I learned that Ryuzaburo Shikiba, a psychiatrist who also helped the Mingei movement, was supporting Kiyoshi Yamashita.

This exhibition at the Kobe Fashion Museum was a great opportunity to get to know Kiyoshi Yamashita well.

At the venue, paintings were made from the paintings before entering Yawata Gakuen, the pasting paintings that started after entering the school, the works after returning from the wandering trip, and the paintings depicting the scenery seen during the trip to Europe. Kiyoshi Yamashita's diverse art world, such as ceramics, was unfolding.

The fireworks in Nagaoka, which I really wanted to see, was a surprisingly small work, but when I got closer to my eyes, I was overwhelmed by the elaborate painting technique.

With the 100th anniversary of his birth, the artist Kiyoshi Yamashita may be said to have entered an era of justification.



コメント

このブログの人気の投稿

フジタが目黒にやって来た(目黒区立美術館) Anatomy of the Museum Collection (Muguro Museum of Art, Tokyo)

総数2,400点を超えるコレクションを誇る、目黒区立美術館の流れを振り返る展覧会。 この美術館は1981年に開館したが、当初は海外に留学したり海外で活躍した画家の作品を中心に収集することを目指していた。 犬やウサギなどがキャンバスの中で飛び跳ねている、藤田嗣治の”動物群”が最初の収蔵作品だったという。その作品が展示会場の入り口に誇らしげに展示されていた。 その後、目黒区ゆかりの作品が美術館に寄付されるようになって、コレクションの内容は次第に充実したものになっていたという。 さらに1998年以降は、絵画以外にも陶芸や彫刻、デザイン作品なども増えて多彩なものになっていった。 2014年に行われたジョージ・ネルソン展など、この美術館で行われたデザイン関連の展覧会に行ったことを思い出す。 4つのコーナーに分かれて展示された作品によって、そうした美術館のコレクションの歴史を辿ることができた。 An exhibition that looks back on the flow of the Meguro Museum of Art, which boasts a collection of over 2,400 items. The museum opened in 1981, and initially aimed to collect mainly the works of artists who studied abroad or were active overseas. It is said that Tsuguharu Foujita's "Animal Group", in which dogs and rabbits jumped around on canvas, was his first collection. The work was proudly displayed at the entrance of the exhibition hall. After that, works related to Meguro Ward began to be donated to museums, and the contents of the collection gradually expanded. Since 1998, c

古美術逍遙(泉屋博古館東京) Stroll through the Art of East Asia (Sen-Oku Hakukokan Museum)

  泉屋博古館東京のリニューアルオープンを記念する展覧会の第3弾は、中国や日本の書画や工芸品を展示するという内容。 雪舟や伊藤若冲の絵画も見応えがあったが、やはり中国絵画のコーナーが圧倒的だった。 この美術館で過去に何度か目にしてきた、八大山人の安晩帖。いつも頁ごとの展示となってしまう作品だが、今回展示されていたのは、第6図の鱖魚だった。 石濤の黄山八勝図冊。それほど大きくないページの中に、実に細かい筆使いで青みがかった山水画が描かれている。 その幻想的な世界観にしばし見惚れてしまい、時間を忘れてしまった。 日本の絵画からは、周文の筆によると伝わる山水図。こちらも中国の絵画に負けずに、なんとも言えない幽玄の雰囲気を、驚異的な筆使いで表現していて、見応え十分。 最後の第4展示室には、文房具と煎茶の道具が飾られて、合わせてその隣に張瑞図や許友の絵も展示されて、中国の文人世界を感じられる、素晴らしい空間になっていた。 The third exhibition to commemorate the reopening of Sen-Oku Hakukokan Tokyo will feature Chinese and Japanese calligraphy, paintings, and handicrafts. The paintings by Sesshu and Ito Jakuchu were also worth seeing, but the Chinese painting corner was overwhelming. Anbancho of Hachidaisanjin, which I have seen several times in the past at this museum. The work is usually displayed page by page, but the one displayed this time was the trout fish in Fig. 6. Huangshan Eight Victories Book of Shitao. In the not-so-large pages, a bluish landscape painting is drawn with really fine brush

塩見允枝子+フルクサス(ときの忘れもの) Shiomi Mieko + FLUXUS (TOKI-NO-WASUREMONO)

  フルクサスのメンバーとして活動していた塩見允枝子と、フルクサスの他のメンバーとの作品が展示されていた。 日本からフルクサスから参加した人物といえば、オノ・ヨーコの知名度が圧倒的だ。 塩見允枝子の作品をまとめて目にするのはこれが初めてだったが、オノ・ヨーコに引けを取らないユニークな作品が多く、見応えがあった。 世界全体をステージとして見立てて、各地のメッセージを送ってパフォーマンスをイベントを行ってもらい、その結果を共有するというアイデアは、いかにもフルクサスらしい。 また、壁にずらりと並べられていた、星座を観察するための窓、という作品もユニークだった。60年代の別なテーマの作品を、2019年にテーマを変えてリメイクした作品。いまだに創造の意欲は衰えていないようだ。 フルクサスの他のメンバーでは、ナムジュン・パイク、ジョナス・メカス、ジョン・ケージらの作品が展示されていた。 フルクサスを始めたマチューナスの、デザイナーとしての才能が遺憾無く発揮された、フルクサス新聞が展示されていて、そのユニークな構成にしばらく見入ってしまった。 Works by Mieko Shiomi, who was active as a member of Fluxus, and other members of Fluxus were on display. Speaking of people from Fluxus from Japan, the name recognition of Yoko Ono is overwhelming. This was the first time I had seen Mieko Shiomi's work as a whole, but she had many unique works that were on a par with Yoko Ono, and it was worth seeing. Her idea of ​​using the entire world as a stage, sending messages from various places to perform events and sharing the results, is very Fluxus-like. Also unique were t