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3月, 2022の投稿を表示しています

超コレクション展 99のものがたり(大阪中之島美術館) Hello! Super Collection: 99 untold stories (Nakanoshima Museum of Art, Osala)

    2022年2月に、大阪の中之島に新たにオープンした大阪中之島美術館。閉幕間近の時期になってしまったが、ようやく訪れることができた。 外観は四角いキューブになっていて、周囲に多くのマンションや複合施設などが立ち並ぶ中之島でも、大きな存在感を誇っている。 オープニングは、6000点のコレクション作品の中から、400点を展示するコレクション展。自らSuper Collectionと臆面もなく名乗るあたり、その内容には自信を持っているのだろう。 The Osaka Nakanoshima Museum of Art was newly opened in Nakanoshima, Osaka in February 2022. It was almost the end of the season, but I was finally able to visit. The exterior is a square cube, and it boasts a great presence even in Nakanoshima, where many condominiums and complex facilities are lined up around it. The opening is a collection exhibition that exhibits 400 of the 6000 collection works. He is confident in the content of the Super Collection, as he calls himself the Super Collection. 展示は4階と5階の2つのフロアを使って行われ、作品の内容ごとにいくつかのセクションに分かれており、それぞれのセクションには撮影が可能な作品がいくつかあった。 佐伯祐三の作品は、この美術館のコレクションの元になっている山本發次郎コレクションの中心的な作品であるようで、多くの作品が展示されていた。 The exhibition was held on two floors, the 4th floor and the 5th floor, and was divided into several sections according to th

コレクション2 つなぐいのち(国立国際美術館) Collection 2: Our Life (National Museum of Art, Osaka) 

  国立国際美術館のコレクション展。つなぐいのち、というテーマで様々なコレクション作品が展示されていた。 篠原有司男、米田知子、クリスチャン・ボルタンスキー、マーク・マンダースなど、この美術館のコレクションの素晴らしさを表す作品が展示されていた。 中でも、一番奥の部屋に多くの作品が展示されていた、O JUNの作品がとても印象に残った。 Collection exhibition of the National Museum of Art, Osaka. Various collection works were exhibited under the theme of "connecting life". Ushio Shinohara, Tomoko Yoneda, Christian Boltanski, Mark Manders and other works that show the splendor of the museum's collection were on display. Among them, O JUN's work, which had many works on display in the innermost room, left a strong impression on me.

感覚の領域 今、「経験する」ということ(国立国際美術館) Range of the Senses: What It Means to ""Experience" Today (National Museum of Art, Osaka)

  久しぶりに訪れた、大阪の国際国立美術館。すぐ隣に、黒い四角い建物の大阪中之島美術館ができたので、見慣れたはずのそのエントランスの風景は、少し変わったものになっていた。 訪れた際は、何とも不思議な名前の特別展が開催されていた。 7人の日本の現代アーティストの作品を通して、様々な感覚を通して経験するということはどんなことかを、まさに”実感”するというテーマの展覧会だった。 I visited the National Museum of Art, Osaka for the first time in a long time. Right next to it was the Osaka Nakanoshima Museum, a black square building, so the scenery at the entrance, which I should be familiar with, was a little strange. When I visited, a special exhibition with a mysterious name was held. It was an exhibition with the theme of "realizing" what it is like to experience through various senses through the works of seven Japanese contemporary artists. 大阪で生まれた今村源の作品。菌糸伸ばすをキノコをイメージした作品。美術館の中に、本当に成長するキノコのような菌類が展示されていたら、面白いかもしれない。 A work by Gen Imamura born in Osaka. A work that imagines mushrooms to stretch mycelia. It might be interesting to see fungi like mushrooms that really grow in the museum. ブラジルのサンパウロ生まれの大村オスカールの作品。パンデミックの隔離生活の中で、”記憶”という感覚を頼りに制作された作品が展示されていた。 A work by

SDGsの先駆者 アントニ・ガウディ 形と色(スペイン大使館) Antoni Gaudi, Forma y Color, del Poinero de lod ODS (Embassy of Spain)

スペイン大使館で行われた、スペインの建築家アントニ・ガウディについての展覧会。 ガウディといえば、自然から多くのことを学び、自らの建築に取り入れていたことは知られているが、それをSDGsの観点から見るという、東京工業大学との共同企画展だった。 風、水、大地という3つのキーワードで、ガウディがそうした要素をどのように建築の中に生かしていたかがパネルで解説されていた。 An exhibition about the Spanish architect Antoni Gaudi at the Spanish Embassy. Speaking of Gaudi, it is known that he learned a lot from nature and incorporated it into his own architecture, but it was a joint exhibition with Tokyo Institute of Technology to see it from the perspective of the SDGs. The panel explained how Gaudi used these elements in his architecture with the three keywords of wind, water, and the earth. 合わせて、グエル公園、カサ・ミラ、ザグラダ・ファミリアなどで使われている建築要素の模型なども展示されていた。 ガウディの建築は、その全体もユニークな形状だが、構成されている個別の要素を取り出しても、それだけでインテリアとして活用できるような、魅惑に溢れたデザインになっている。 At the same time, models of architectural elements used in Guell park, La Pedrera, Zagrada Familia, etc. were also exhibited. Gaudi's architecture has a unique shape as a whole, but it has a fascinating design that can be used as an interior by its

季節をめぐり、自然と遊ぶ(大倉集古館) A Journey Through the Seasons (Okura Museum of Art)

  大倉集古館のコレクションの中から、季節感が感じられる花鳥図や山水画をピックアップした展覧会。 印象に残った作品を上げておく。 桃山時代の金ピカの時代の名残を感じさせるような、17世紀に描かれた網代に葡萄図屏風。 凍てついた冬の雪山の様子を見事な水墨画で表現した、菅井梅関の寒光雪峰図、菅井梅関は、頼山陽に認められて京都で活躍した絵師。 1枚の小さな絵の中に、見事に瀟湘の八景をコンパクトに収めた、狩野探幽の瀟湘八景図。 そして、無骨なイメージから少し意外に感じた、梅の花の詩を書いた西郷隆盛の書。 他にも、季節感を感じられる作品が多く、小規模ながら充実した内容の展覧会だった。 An exhibition that picks up seasonal bird-and-flower paintings and landscape paintings from the collection of the Okura Museum of Art. Here are some of the works that left an impression on me. A grape-shaped folding screen drawn in the 17th century that makes you feel the remnants of the golden era of the Momoyama period. Sugai Baikan's cold light snow peak map, Sugai Baikan, is a painter who was recognized by Rai Sanyo and was active in Kyoto. Xiaoxiang's eight views of Kano Tan'yū, which perfectly compactly contains the eight views of Xiaoxiang in one small picture. And the book of Takamori Saigo who wrote the poem of plum blossoms, which I felt a little unexpected from the rugged image

木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり(目黒区美術館) Mosaic Colors of Paris Captured by KIMURA Ihei and the Artists (Meguro Museum of Art)

写真家の木村伊兵衛は、1954年と1955年にパリを訪れた。戦後、日本人の写真家としてヨーロッパを訪れたのは、木村が初めてであったという。 展示会場には、その際に撮影したカラー写真と、パリに留学した画家たちが描いた作品が展示されていた。 木村伊兵衛と言えば、モノクロの報道写真やポートレートの印象が強いので、色鮮やかなカラー写真というのは新鮮だった。 木村はパリでアンリ・カルティエ・ブレッソンやロベール・ドアノーらと交流し、彼らにパリを隈なく案内してもらったようで、観光客が撮影した写真という感じではなく、パリの裏通りやそこに暮らす人々の生活に密着したような写真が多かった。 パリというと、華やかなフアッションと芸術の街というイメージがあるが、木村の撮影したパリの姿は、そうしたイメージとは少し異なっていた。 この美術館には、パリに留学した画家たちの作品が数多く収蔵されている。 そうした中から、荻須高徳、安井曽太郎、梅原龍三郎、藤田嗣治、山口薫、浜口陽三らの作品と、パリ滞在中にまつわるエピソードなどが紹介されていた。 写真と絵画という違いはあっても、それぞれの作家たちが抱いたパリに対する印象の違いが感じられて、自分もまたパリに行ってみたい気分になってしまった。 Photographer Ihei Kimura visited Paris in 1954 and 1955. It is said that Kimura was the first Japanese photographer to visit Europe after the war. At the exhibition hall, color photographs taken at that time and works drawn by painters who studied abroad in Paris were exhibited. Speaking of Ihei Kimura, I have a strong impression of monochrome news photographs and portraits, so colorful color photographs were fresh. Kimura interacted with Henri Cartier Bresson

日本最古の医学書・国宝「医心方」の世界(東京国立博物館) National Treasure Heart of Medicine : The Oldest Medical Text in Japan (Tokyo National Museum)

  984年に丹羽康頼によって編纂された、日本で最古の医学書である医心方。その修理が完了したことを記念しての展覧会。 医心方は、当時の東洋医学がどのように病気や健康のことを見ていたのかがわかる貴重な資料。それが今日まで残っていることは、まさに奇跡と言っていい。 オリジナルはすでになく、残されているのは平安時代、鎌倉時代、そして江戸時代の写本だが、ほとんどは平安時代のもので、その書体なども含めてとても興味深い。 それぞれの巻は、腹部、頭などのテーマに別れていて、病とその原因、対処するための薬の用法などが詳細に書かれている。 医心方が書かれた10世紀は、日本中で飢饉や自然災害などが発生し、多くの人が病に罹った時代とされている。この書の誕生にはそうした背景があったようだ。 書かれている内容は、その多くが中国からもたらされた医学書によるもので、中にはインドの知識や、アフリカの薬剤が書かれている部分もあるという。 地味な内容ながら、医心方の全巻を目にするという貴重な機会を得ることができた展覧会だった。 Ishinpo, the oldest medical book in Japan, compiled by Yasuyori Tamba in 984. An exhibition commemorating the completion of the repair. The medical mind is a valuable resource that shows how Oriental medicine at that time looked at illness and health. It is a miracle that it remains to this day. There is no original, and the manuscripts left are from the Heian period, Kamakura period, and Edo period, but most of them are from the Heian period, and their typefaces are very interesting. Each volume is divided into themes such as the abdomen an