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9月, 2022の投稿を表示しています

イメージ・メイキングを分解する(東京都写真美術館) Reinventing Image-Making (Tokyo Photographic Art Museum)

写真家映画というジャンルに限らず、イメージをメイキングするという観点で、ユニークな取り組みを行なっているアーティストたちを取り上げた展覧会。 An exhibition featuring artists who are making unique efforts not only in the genre of photographer films, but also in terms of image making. コンピュータを使ってイメージ・メイキングを行なった、アート・エクス・マキナの作品。 いかにもコンピュータで作りました、という直線や四角形を組み合わせた作品だが、全体の構成や色のバランスが美しく、思わず細部はどうなっているのだろうか、と顔を近づけてしまう。 アート・エクス・マキナは、哲学者のマックス・ベンゼの情報美学という思想に影響を受けていたようだ。 A work by Art Ex Machina that uses a computer to create the image. It's a work that combines straight lines and squares, and it looks like it was created on a computer. Art ex Machina seems to have been influenced by philosopher Max Benze's idea of information aesthetics. ハンガリー出身のタマシュ・ヴァリツキーは、カメラという機器の構造を調べて、そこから全く新しい映像機械を想像で作り上げた。 それらの作品は、2019年のヴェネツィア・ビエンナーレにおいてハンガリー館に展示された作品だとのこと。 まさに、今回のテーマである”イメージ・メイキングを分解する”というテーマに相応しい展示だ。 Hungarian-born Tamasz Walitzky researched the structure of a device called a camera and created a completely new imaging machine from it. These works were exhibited at th

日本語の歴史(東洋文庫ミュージアム) A History of Japanese Language (Toyo Bunko Museum)

  東洋文庫ミュージアムの膨大な書籍コレクションから、日本語の歴史をたどる、というテーマでの展覧会。 『三国志』の魏志倭人伝の中には、当時の日本語と考えられる言葉が書かれている。おそらくその頃には、現在につながる日本語はすでに成立していたようだ。 また、琉球語は日本語との関係が強いようだが、アイヌ語は日本語とは系統に違う言語とのこと。 日本語の50音図は、サンスクリットの読み方を整理した表から成立したという。 日本語に限らず、言葉の歴史というものは、その民族の長い歴史の中で、少しづつ変化しながら、大きな流れの中で生まれ、変化してきたものと考えていた。 しかし、この展覧会で展示されていたような、ある1冊の書物の存在が、日本語のその後の普及や変化に、少なからぬ影響を与えたかもしれないことを知って、全体だけではない、個の重要さにも気付かされた気がした。 印象に残った展示品から、万葉仮名で書かれた万葉集、新井白石の蝦夷志、金田一京助のアイヌ聖典、おもろそうし、ドチリーナ・キリシタン、解体新書、福沢諭吉による華英辞書など。 An exhibition with the theme of tracing the history of the Japanese language from the vast book collection of the Toyo Bunko Museum. In the Gishi Wajinden of "Sangokushi", words that are thought to be Japanese at that time are written. It seems that by that time, the Japanese language that we know today had already been established. Also, Ryukyu language seems to have a strong relationship with Japanese, but Ainu language is said to be a different language from Japanese. It is said that the 50 syllabary of Japanese was e

美をつくし - 大阪市立美術館コレクション(サントリー美術館) Miwotsukushi: Beauty Galore (Suntory Museum of Art)

  大阪の茶臼山にある大阪市立美術館は、大好きな美術館の一つだ。 商人の町である大阪の土蔵をイメージしたという、壮麗で巨大な建物を見ながら、入り口に近づいていく時には自然とテンションが上がっていく。 この美術館がある土地の歴史も興味深い。 大阪の冬の陣では徳川家康がこの地に本陣を置き、それに対して真田幸村は大坂城の南に真田丸を作り対峙した。 大阪がまだ海の底だった古代では、この茶臼山のある辺り一帯は、現在の大阪城の方まで続く上山台地の一部であり、難波宮もその一角にあった。 大阪を拠点とした住友家はかつてこの地に巨大な邸宅を持っており、それが大阪市に寄付されて、その跡地にこの美術館が作られた。 2025年に創立90年を迎えるにあたり、まもなくリニューアル工事に入るため、そのコレクション展が国内各地で行われることになった。 コレクションは多岐にわたる。中国の仏像や書画、日本の仏教美術、中世の絵巻物や屏風、蒔絵や根付などの近世工芸、そして近代絵画などなど。 そうしたコレクションは、ほとんどが市民からの寄贈で成り立っていて、主なコレクターのプロファイルも紹介されていた。 最近の大阪市立美術館では、1階で企画展、2階でコレクション展が行われている。 ここ何年か、ほぼ毎年のように訪れているが、この展覧会の展示品では過去にコレクション展で目にした品もあれば、今回初めて目にした品もあった。 とりわけ印象的だった作品をあげると、個性的な荒々しいタッチで高其佩の花鳥図冊。 キツネにまたがった荼吉尼天を中心に、不思議な世界観が展開されている、荼吉尼天曼荼羅図。元は比叡山明徳院に伝来していたという。 雪舟の後継者を自認した、江戸時代に大阪で活躍した蔀関月の廬山図。 金沢で生まれ、大阪で活躍した日本画家、北野恒富の星。星あかりの下で橋に佇んで夜空を見上げる着物姿の女性が描かれている。その着物の白が実に美しく、闇の中で光を発しているように描かれている。 そうした展示品を見ていると、2025年に行われるであろう、リニューアルを記念する展覧会が、早くも待ち遠しい気持ちになってきた。 The Osaka City Museum of Art in Chausuyama, Osaka, is one of my favorite museums. Looking at the majestic and

装いの力 - 異性装の日本史(松濤美術館) Power of Closing: History of Cross-Dressing in Japan (Shoto Museum of Art)

聖書には、”女は男の、男は女の、それぞれの着物を着てはならない。”という言葉があり、西洋社会では、異性装はタブーになっているという。 それに比べると日本では、古事記や日本書紀の中にヤマトタケルが女装して熊襲を退治する物語があり、異性装には寛容な社会であった。 日本において異性装がどのように描かれてきたかを辿るユニークな展覧会が松濤美術館で開催された。 展示品は、浮世絵が多かった印象。異装をテーマにした歌舞伎の出し物が多いからだろう。 他には、巴御前をテーマにした能の面や衣装、井伊直弼の娘が所用した真っ赤な鎧兜、若衆を描いた北斎の肉筆画、ベルばらやリボンの騎士の原画なども展示されていた。 現代からも、変装で知られる森村泰昌の作品や、ドラッグクイーンをテーマにしたコーナーがあり、どちらもとてもインパクトがあった。 そうした展示の中でも、桃山時代に描かれた阿国歌舞伎草子がとりわけ印象的だった。女性であった出雲の阿国がはじめた歌舞伎は、やがて男性だけの演劇になってしまった。 異装には寛容と言われた日本にあっても、厳然とした女性差別があったことが思い起こさせる。 In the Bible, there is a saying, ``Woman should not wear man's clothes, and men should not wear women's clothes.'' In Western society, cross-dressing is taboo. In contrast, in Japan, there is a story in the Kojiki and Nihon Shoki that Yamato Takeru disguises himself as a woman and exterminates Kumaso, and the society was tolerant of cross-dressing. A unique exhibition has been held at the Shoto Museum of Art that traces how cross-dressing has been portrayed in Japan. Impression that there were m

日本の中のマネ(練馬区立美術館) Edouard Manet in Japan (Nerima Art Museum)

印象派の先駆者ともいうべきフランスのエドュアール・マネが、日本にどのように受容されてきたかというユニークなテーマの展覧会。 日本にはパステル画を含めて17点のマネの作品があるという。 マネの作品数自体が少ないということもあるだろうが、モネやセザンヌ、ルノワールなどの印象派の画家たちと比べると、その作品数の小ささに驚かされた。 その数字の少なさは、日本におけるマネの受容の度合いを表しているのだろうか? この展覧会では、そのうちの7点が展示されていた。しかし、はっきり言って本格的な作品はほとんどなく、ちょっと残念ではあった。 その代わりということだろうが、マネの版画作品が多く展示されていて、ボードレールのプロフィールや、エドガー・アラン・ポーの『大鴉』のための挿絵は、とても面白かった。 続いて、明治、大正、昭和期のマネへのオマージュが見られる日本の洋画家たちの作品が紹介されていたが、マネというより、セザンヌやルノワールを”真似”したように見えた。 最後のコーナーでは、現代のアーティストから森村泰昌と福田美蘭の作品が展示されていた。 2人ともクセの強い個性的な作品で知られるが、期待を裏切らない個性的な作品が並んでいた。 そうした展覧会を一通り目にした後での感想は、”本当に日本はマネを受容したと言えるのだろうか?”というやや悲観的なものだった。 An exhibition with a unique theme of how French Édouard Manet, who can be called a pioneer of Impressionism, was received in Japan. It is said that there are 17 works by Manet in Japan, including pastels. The number of works by Manet is probably small, but compared to Impressionist painters such as Monet, Cézanne, and Renoir, he was surprised by the small number of his works. Does the low number represent the degree of

塩見允枝子+フルクサス(ときの忘れもの) Shiomi Mieko + FLUXUS (TOKI-NO-WASUREMONO)

  フルクサスのメンバーとして活動していた塩見允枝子と、フルクサスの他のメンバーとの作品が展示されていた。 日本からフルクサスから参加した人物といえば、オノ・ヨーコの知名度が圧倒的だ。 塩見允枝子の作品をまとめて目にするのはこれが初めてだったが、オノ・ヨーコに引けを取らないユニークな作品が多く、見応えがあった。 世界全体をステージとして見立てて、各地のメッセージを送ってパフォーマンスをイベントを行ってもらい、その結果を共有するというアイデアは、いかにもフルクサスらしい。 また、壁にずらりと並べられていた、星座を観察するための窓、という作品もユニークだった。60年代の別なテーマの作品を、2019年にテーマを変えてリメイクした作品。いまだに創造の意欲は衰えていないようだ。 フルクサスの他のメンバーでは、ナムジュン・パイク、ジョナス・メカス、ジョン・ケージらの作品が展示されていた。 フルクサスを始めたマチューナスの、デザイナーとしての才能が遺憾無く発揮された、フルクサス新聞が展示されていて、そのユニークな構成にしばらく見入ってしまった。 Works by Mieko Shiomi, who was active as a member of Fluxus, and other members of Fluxus were on display. Speaking of people from Fluxus from Japan, the name recognition of Yoko Ono is overwhelming. This was the first time I had seen Mieko Shiomi's work as a whole, but she had many unique works that were on a par with Yoko Ono, and it was worth seeing. Her idea of ​​using the entire world as a stage, sending messages from various places to perform events and sharing the results, is very Fluxus-like. Also unique were t

香道の世界(増上寺宝物展示室) The World of KODO (Zojoji Treasure Exhibition Room)

香道については、これまで興味がありながら、なかなか知る機内には恵まれなかった。 増上寺の宝物展示室で、志野流の香道についての展示を見て、その一端を知ることができた。 志野家は、室町時代の足利義政の同朋衆であったが、それ以降、香道を主な営みとした。 江戸時代になると、徳川家に保護されて、幕末まで一貫して武家の香道の本道だったという。 展示会場には、志野家歴代の肖像や書状、蘭奢侍伝書などの香道についての貴重な資料、江戸時代に実際に使われていた道具類、そして実際の香木や六十一種の名香などが展示されていた。 特に、六十一種の名香が展示されていた小さな部屋には、芳しい香の匂いが充満していて、そこだけ別世界のようだった。 また、柿右衛門などの美しい香炉や、色々な布地で作られた色鮮やかな香包みなどは、美しい美術工芸品であり、とても見応えのある展示内容だった。 I've always been interested in Kodo, but I haven't had the chance to learn about it. In the treasure exhibition room of Zojoji, I saw an exhibition about the Shino school of incense, and was able to get a glimpse of it. The Shino family was a member of Yoshimasa Ashikaga's family during the Muromachi period. In the Edo period, it was protected by the Tokugawa family, and until the end of the Tokugawa shogunate, it was consistently the main way of samurai incense. In the exhibition hall, there are portraits and letters of successive generations of the Shino family, valuable materials related to incense,

琉球・沖縄学と國學院(國學院大学博物館) Okinawa Studies at Kokugakuin (Kokugakuin University Museum)

今年は、沖縄がアメリカから日本に返還されて50年にあたる。 東京国立博物館などで大規模な沖縄展が開催されたが、小規模ながら、國學院大学博物館でも興味深い展覧会が開催された。 先史時代の遺跡に始まり、中山世鑑やおもしろそうしなどの琉球王国の歴史書、柳田國男や折口信夫などの民俗学者により沖縄研究などが展示、紹介されていた。 中でも、印象に残ったのは、返還前に使われていた、日本渡航証明書だった。沖縄がかつてはアメリカの占領下にあったことが、如実に感じられる展示だった。 かつては独立して琉球王国は、明治維新とともに日本に併合された。その後、太平洋戦争の末期には沖縄戦で多くの島民が犠牲になり、アメリカに占領されて、現在は日本の一つの都道府県になっている。 沖縄のこれからについて、どんな姿が沖縄の人々にとって一番幸せな姿なのかを考えると、複雑な気持ちで会場を後にした。 This year marks the 50th anniversary of Okinawa's return from the United States to Japan. A large-scale Okinawan exhibition was held at the Tokyo National Museum and other places, but an interesting exhibition was also held at the Kokugakuin University Museum, albeit on a smaller scale. Beginning with prehistoric ruins, history books of the Ryukyu Kingdom such as Nakayama Seikan and Omososhisoshi, and research on Okinawa by folklore scholars such as Kunio Yanagita and Shinobu Orikuchi were exhibited and introduced. Above all, what left an impression on me was the Japan travel document that was used before

柳宗悦と朝鮮の工芸(日本民藝館) Muneyoshi Yanagi and Korean Crafts (Japan Folk Crafts Museum)

  柳宗悦の著作『朝鮮とその芸術』が刊行されてから100年を記念した展覧会。 柳は、朝鮮の陶磁器を見たことがきっかけで、芸術家の手によるのではない、民衆の手による工芸品に興味を持つようになり、それが後の民藝運動につながっていった。 その意味では、陶磁器をはじめとした朝鮮の工芸品は、この日本民藝館にとっても、特別な存在であるのだろう。 2階の一番奥にある大展示室には、上部が膨らんで下部がすぼんでいる独特な形状の白磁の壺、素朴な味わいの民画、動物などの形をした小さな水滴、螺鈿で花鳥が描かれた文箱など、代表的な朝鮮の工芸品が展示されていた。 これまでこの日本民藝館には幾度となく足を運んでいて、その中には朝鮮に関する展覧会も何度かあった。 展示された品々の中には、過去に何度も目にしたものもあれば、初めて目にしたものもあった。 『朝鮮とその芸術』の中で柳は、「互いを認め合い、平和に生きる」ことを訴えている。 皮肉なことに、その言葉は現在、最も求められていることなのかもしれない。 その他の展示では、台湾の先住民族の美しいビーズの衣服と、ガラスを使ったアイヌの首飾りなどが印象に残った。 An exhibition commemorating the 100th anniversary of the publication of Muneyoshi Yanagi's book "Korea and its Art". After seeing Korean ceramics, Yanagi became interested in crafts made by the people rather than by artists, which later led to the Mingei movement. In that sense, Korean crafts such as ceramics have a special place in the Japan Folk Crafts Museum. In the large exhibition room at the far end of the second floor, there are white porcelain pots with a unique shape that bulges

末光弘和+末光陽子 / SUEP.展(ギャラリー間)  Harvest in Architecture (Gallery-MA)

  私たちを取り巻く環境と建築の関係をテーマに、建築のあるべき形を模索している建築ユニット、末光弘和+末光陽子 / SUEP.による、ギャラリー間での展覧会。 3階のフロアは、外光の分析や、風の流れを考慮した建物のシミュレーションなど、建築というよりどこかの大学の建築科の研究発表会のような展示が多く、このギャラリーでのいつもの展示と違い、やや戸惑いを感じた。 4階のフロアでは、そうした研究の実践編といった趣の、実際の建築プロジェクトが模型屋写真、ビデオなどによって紹介されていた。 目先のデザインのユニークさや、伝統に基づいた建築などと違い、SUEP.の建築は一見するととても地味なものが多い。 しかし環境や持続性を意識した建築とは、SDGsなどが言われる現代の傾向には沿っていると言える一方で、本来の建築のあるべき姿であるように感じた。 An exhibition between galleries by Hirokazu Suemitsu + Yoko Suemitsu / SUEP. On the 3rd floor, there are many exhibitions that are more like research presentations of some university's architecture department than architecture, such as the analysis of external light and the simulation of a building that considers the flow of wind. Unlike the exhibition, I felt a little bewildered. On the 4th floor, actual architectural projects were introduced through model shop photographs, videos, etc., with the flavor of the practical version of such research. Unlike architecture based on the uniqueness of immediate design or trad

芸術家たちの住むところ(うらわ美術館) Home of our Artist (Urawa Art Museum)

新型コロナ感染状況のため、2年間延期されていた、開館20周年を記念する展覧会。 かつて、「鎌倉文士に浦和絵描き」と言われていたことがあり、浦和には多くの画家が暮らしていた。 浦和は、芸大などがあった上野に行く交通の便がよく、埼玉の県庁所在地であり、周囲に学校も多く作られたこともあって、いつの間にか画家たちが住むようになったようだ。 どんどん開発されていく東京とは違って、”武蔵野”を感じさせる風景が残っていて、絵のテーマにも事欠かない土地でもあった。 会場には明治期に活躍した鹿子木孟郎などに始まり、林倭衛、瑛九、須田剋太、安井曽太郎、寺内萬治郎、小沢剛、福田尚代など、多彩な作家たちの作品が並んだ。 それは、さながら、ちょっとした日本近代美術史という趣でもあった。 故郷の宮崎から状況して、1952年から浦和にアトリエと居を構えた瑛九は、”ここに住むようになってから、創作欲がもりもりと湧いてくるようだ”と書いている。 浦和という土地の、不思議な魅力が、こうした展覧会を産んだと言えるだろう。 An exhibition commemorating the 20th anniversary of the museum's opening, which had been postponed for two years due to the COVID-19 pandemic. In the past, many artists lived in Urawa, as it was once said that "Writers in Kamakura & painters in Urawa.'' Urawa is convenient for transportation to Ueno, where art colleges were located, and is the prefectural capital of Saitama. Unlike Tokyo, which is constantly being developed, the scenery of "Musashino" still remains, and it was also a land where there was no shortag

調和にむかって(国立西洋美術館) Towards Harmony (National Museum of Western Art)

  リニューアル直後の、国立西洋美術館で行われた、ル・コルビュジエについての展覧会。 今回のリニューアルでは、それまでエントランスの庭にあった木々などがなくなっていて、オープンした当時のル・コルビュジエの本来の設計に戻されたとのこと。 2019年にこの美術館では、ピュリズム時代を中心にしたル・コルビュジエの展覧会が行われたが、今回は、晩年のル・コルビュジエにフォーカスした内容だった。 ル・コルビュジエは、モダニストとして機械万能主義を縹渺して華々しくデビューして、建築の歴史を大きく変えてしまった。 絵画の世界においても、ピュリズムを縹渺して、建築のような絵画を描いていた。 しかし、第2次世界大戦後は、行き過ぎた科学技術への批判が多くなり、ル・コルビュジエの建築や絵画にの変化が訪れた。 ピュリズムでは、楽器やコップなどが描かれることが多かったが、後期の絵画では明らかに曲線が増えて、人物や生き物なども描かれるようになった。 ピュリズムの絵画でも感じられたことだが、ル・コルビュジエの作品はどうしてもピカソの影響が強いように見えてしまう。 An exhibition about Le Corbusier at the National Museum of Western Art, just after the renovation. In this renewal, the trees that had been in the garden of the entrance until then disappeared, and it was said that it was returned to the original design of Le Corbusier at the time of opening. In 2019, the museum held an exhibition of Le Corbusier, centered on the Purism era, but this time it focused on Le Corbusier in his later years. Le Corbusier made a spectacular debut as a modernist, brimming with mechanical versatili