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2月, 2022の投稿を表示しています

フェルメールと17世紀オランダ絵画展(東京都美術館) Johannes Vermeer and the Masters of Golden Age of Dutch Painting (Tokyo Metropolitan Art Museum)

  この展覧会の主役は、フェルメールの『窓辺で手紙を読む女』だ。 壁しか描かれていないと思っていた場所に、天使の絵が隠れていたことがわかり、その修復を終えての海外で初となるお披露目だという。 世界中に30点ほどしかないフェルメールの作品が展示されるとなれば、それだけで大規模な展覧会となる。 この展覧会でも、修復された作品と修復前の複製画と関連する版画作品、修復の様子を解説した映像などで、ほぼ1フロアを使っていた。 それ以外では、レンブラントが描いた妻サスキアの肖像、ライスダールの風景画、ハルスの肖像画の小品なども展示されていたが、やはりフェルメールに比べるとその扱いは見劣りしてしまう。 これまで見てきたフェルメールの作品は、この作品を含めておよそ20点ほどだろうか。 この『窓辺で手紙を読む女』という作品は、右側の窓から外光が部屋の中に入り込んでいるというフェルメールの典型的な構図であり、右手のカーテン、窓のガラスに写っている女の顔など、細かい部分も丹念に描かれていて、フェルメールの作品の中でも屈指のものだろう。 今回は、17世紀オランダ絵画にテーマを絞った展覧会だったが、ドレスデン美術館には他にも膨大なコレクションがあるので、もう少し色々な作品を展示してもらいたかった。 The protagonist of this exhibition is Vermeer's "Girl Reading a Letter at the Window". It turned out that a picture of an angel was hidden in a place where everyone thought that only the wall was drawn, and it is said that it will be the first overseas debut after the restoration. If Vermeer's works, which are only about 30 pieces in the world, are exhibited, it will be a large-scale exhibition by itself. In this exhibition as well, a

上野リチ(三菱一号館美術館) Felice "Lizzi" Rix-Ueno (Mitsubishi Ichigokan Museum)

  上野リチは1893年にウィーンの裕福なユダヤ人の家庭に生まれて、ウィーン工芸学校に入学してヨーゼフ・ホフマンなどから教えを受け、デザイナーとして独り立ちした。 その後、ホフマンの下で働いていた日本人の建築家上野伊三郎と知り合い結婚、その後は日本に渡り、ウィーンと京都を往復しながら活動を続けていたという。 ホフマンが全体を設計し、リチが装飾を担当したリキュールグラスが展示されていた。リチはウィーン工房でホフマンに信頼される優秀なデザイナーだった。 会場には、テキスタイル、七宝飾箱、マッチ箱、ガラスコップなど上野リチの様々なデザイン作品が展示されていたが、とりわけ草花をあしらったカラフルなデザイン作品が印象的だった。 最晩年に手がけた、日生劇場のレストラン、アクトレスの内装装飾の制作に使ったデザインの一部が展示されていたが、それはまさに上野リチの集大成のような、色鮮やかでありながら、安らぎに満ちた見事なデザインだ。 他にも、上野リチがデザイナーとして活動していたウィーン工房の様々な作品も展示されていて、とても広がりのある、豊かな内容の展覧会だった。 Felice Rix-Ueno was born in a wealthy Jewish family in Vienna in 1893, enrolled in the Vienna Crafts School, was taught by Josef Hoffmann and others, and became independent as a designer. She then said she met and married Isaburo Ueno, a Japanese architect who worked for Hoffman, and then she went to Japan and continued her activities, traveling back and forth between Vienna and Kyoto. The liqueur glass, which was designed by Hoffman and decorated by Richi, was on display. She was an excellent designer trusted by

ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵(千葉市美術館) Ukiyo-e Viewed through Japonism (Chiba City Museum of Art)

日本の浮世絵が、当時のヨーロッパの芸術にどのように影響を与えたのか。日本とヨーロッパの版画作品を並べて展示することで、その関係を紹介した展覧会。 最初の展示作品は、ニコライ・ニコラエビッチ・セデラーというロシアの画家の作品で、北斎の影響が感じられる作品だった。 この他にも、プーシキン美術館から多数のロシアの画家たちの作品が展示されていて、ロシアにおけるジャポニズムの影響にフォーカスが当てられていた。 これまで、ロシアのジャポニスムについてはあまりよく知らなかったので、とても興味深く鑑賞することができた。 日本の浮世絵の多くは、豊富なコレクションを誇る千葉市美術館からの展示が目立った。 もう一つ目立った出展元は、アメリカのジマーリ美術館で、リヴィエール、ゴーガン、ヴァロトン、シニャック、ホイッスラー、ロートレックなどの作品が展示されていた。 概ね、元になった日本の浮世絵と、影響を受けた西洋の版画が並べて展示されていて、どんな部分が影響されて、どんな部分が影響を受けなかったのかあるいは追加されたのか、まさに一目瞭然だった。 How did Japanese ukiyo-e influence European art at that time? An exhibition that introduces the relationship between Japanese and European prints by displaying them side by side. The first work on display was the work of a Russian painter named Nikolay Nikolaevich Sedeller, who felt the influence of Hokusai. In addition, the Pushkin Museum of Fine Arts exhibited the works of many Russian painters, focusing on the influence of Japonisme in Russia. Until now, I didn't know much about Russian Japonisme, so I was able to apprec

恵比寿映像祭 スペクタクル後(東京都写真美術館) Yebisu International Festival for Art & Alternative Visions (TOP Museum)

  毎年のように、この映像祭を訪れている。 主に展示作品を見ているのだが、はっきり言って、ここ何年かの内容は、当たり障りのない、中身のない、面白くない展示作品が多かった。 今回は、見どころのある展示が多く、ようやくかつての刺激的な内容の映像祭に戻りつつあるのかなと感じた。 今回のテーマは、”スペクタル後”というもの。 ギー・ドゥボールの『スペクタルの社会』を参考にしているようだが、この本は1967年に出版され、1968年のフランス五月革命を予言したとされて有名になった。 そのことからもわかるように、内容はかなり過激で政治的な内容だが、今回の映像祭ではそうした政治色はかなり弱められた内容になっていた。 メインの展示となった3階の展示では、19世紀の後半以降に行われるようなった博覧会を”スペクタル”として、その西洋主義的で人種・文化への差別的な内容を批判的に紹介していた。 他に印象に残った展示としては、平瀬ミキの石に写真を彫刻した作品、ラウラ・リヴェラーニと空音央による現代のアイヌの人々の生活を記録した映像、サムソン・ヤンの中国の伝統音楽についての不都合な真実を描いた映像作品、などだった。 I visit this video festival almost every year. I mainly look at the exhibited works, but to be clear, the contents of the past few years have been mostly bland, empty, and uninteresting. This time, there were many highlights, and I felt that the exhibition was finally returning to the once exciting video festival. The theme this time is "after the spectacle". It seems to refer to Guy Debord's "Society of Spectal", but this book was published in 1967 and became famous for

香月泰男展(練馬区立美術館) Kazuki Yasuo (Nerima Art Museum)

  シベリア・シリーズで知られる、香月泰男の生誕110年を記念する回顧展。 これまで何点か目にしたことがあったが、この展覧会ではシベリア・シリーズの全ての作品が展示されていて、その全貌を目にすることができた。 シベリア・シリーズと言うと、そのテーマになっているシベリア抑留という経験の厳しさだけに目が行きがちだが、香月はその表現に当たって、黒と茶という色を使ったり、彫刻で荒々しく削ったような人間の表情や手を主に描くなど、実に工夫を凝らしている。 これまでこのシリーズ以外は、香月の作品は見たことがなかったが、初期の藤島武二風の作品や、ヨーロッパを訪れた後の色鮮やかな作品もあって、とても新鮮だった。 香月泰男という画家の全体像に触れることができる展覧会だった。 A retrospective exhibition commemorating the 110th anniversary of Yasuo Kazuki's birth, known for his Siberian series. I've seen a few things before, but at this exhibition I was able to see all the works of the Siberian series, and I was able to see the whole picture. When we talk about the Siberian series, we tend to focus only on the rigor of the experience of detaining Siberia, which is the theme of the series. He has devised a lot of ideas, such as drawing human facial expressions and hands. I haven't seen Kazuki's works other than this series so far, but it was very fresh with the early works of Fujishima Takeji and the colorful works aft

ミロ展 日本を夢みて(Bunkamura ザ・ミュージアム) Miro Exhibition, Dreaming of Japan (Bunkamura Museum of Art)

  スペインの画家、ジュアン・ミロと日本の関係を紹介した展覧会。 ミロの作品の中には、まるで書道のような黒くて太い線がよく使われているので、中国あるいは日本との関連があるのかと思っていた。 ミロの生まれた場所の近くに日本美術を輸入販売する店があり、最初の個展が開かれた画廊では日本美術の展覧会も行われていたとのこと。 そんなミロが、日本を初めて訪れたのは、意外にも73歳になった1966年だった。その際にミロが買い求めた日本の民芸品なども展示されていた。 また、世界で初めてミロに関する本を書いた瀧口修造との交流や、瀧口が詩を書いてミロが挿絵を描いた作品なども印象に残った。 日本との関係に限らず、初期の風景画から、後年のいわゆるミロらしい作品、他にも陶器やブロンズの彫刻、など、ミロの多彩な作品を楽しめることができた。 An exhibition that introduces the relationship between Spanish painter Juan Milo and Japan. In Miro's work, black and thick lines that look like calligraphy are often used, so I was wondering if it was related to China or Japan. There is a store that imports and sells Japanese art near the place where Miro was born, and an exhibition of Japanese art was also held at the gallery where his first solo exhibition was held. Miro first visited Japan in 1966, when she was 73 years old. At that time, Japanese folk crafts purchased by Milo were also exhibited. I was also impressed by the interaction with Shuzo Takiguchi, who wrote the w

メトロポリタン美術館展②(国立新美術館) European Masterpieces from MET Part-2 (National Art Center, Tokyo)

  オランダ、デルフトの画家フェルメールの信仰の寓意。 フェルメール独特の部屋の中の様子を描いた絵画だが、他の穏やかな印象の絵とは、少し異なった雰囲気を持っている。 当時のオランダはプロテスタントの国で、カトリックの人々は部屋の中で礼拝を行なっており、この絵はその様子を描いたのではないかと言われているが、床にヘビが血を流している様子を見ると、何かの秘儀が行われている場面のようにも見える。 フェルメールはプロテスタントだったが、結婚を機にカトリックに改宗している。 フェルメールの作品とされているものは世界に30点ほどしかないが、メトロポリタン美術館には5点ものフェルメール作品がある。 The Allegory of Faith of Vermeer, a painter in Delft, the Netherlands. The painting depicts the interior of Vermeer's unique room, but it has a slightly different atmosphere from other paintings with a calm impression. The Netherlands at that time was a Protestant country, and Catholics worshiped in the room, and it is said that this painting depicts the situation, but snakes are bleeding on the floor. Looking at the situation, it looks like a scene where some mystery is being performed. Vermeer was a Protestant, but he converted to Catholicism after his marriage. There are only about 30 Vermeer works in the world, but there are 5 Vermeer works in the Metropolitan Museum of Art. フランスの画家、アントワー

メトロポリタン美術館展①(国立新美術館) European Masterpieces from MET Part-1 (National Art Center, Tokyo)

メトロポリタン美術館は、以前、ニューヨークに行った時に訪れたことがあった。 とにかく大きな美術館で、膨大な展示作品があったので、その作品の一つ一つをじっくりと鑑賞することはできなかった。65点が展示された今回の展覧会では、その時にはゆっくりと見れなかった作品を、じっくりと鑑賞することができた。 ニューヨークで撮った写真をアルバムから探し出して、今回の印象を記していこう。 I had visited the Metropolitan Museum of Art before when I went to New York. Anyway, it was a big museum and there were a huge number of exhibited works, so I couldn't appreciate each one of them. At this exhibition, where 65 works were exhibited, I was able to take a closer look at the works that I could not see slowly at that time. Let's find out the photos taken in New York from the album and write down the impression of this time. フラ・フィリッポ・リッピの王座の聖母子と二人の天使。 元々は、3枚描かれた絵画の中央部分で、その両方にはそれぞれ聖アウグステュスや聖ヒエロニムスなどの聖人が描かれていたという。 フィリッポ・リッピの絵画のイメージからすると、聖母や幼児イエスの表情がやや硬い印象に見える。 Madonna and Child and two angels on the throne of Hula Filippo Lippi. Originally, it was the central part of the three paintings, both of which featured saints such as St. Augustus and St. Jerome. From the image of Filippo Lippi&#

小池一子展(アート千代田3331) Kazuko Koike Exhibition (3331 Arts Chiyoda)

  コピーライター、編集者、クリエイティブ・ディレクターとしてマルチな活躍を行なってきた小池一子の活動を振り返る展覧会。 会場は3つのスペースに分けられていた。 中間子というスペースでは、小池が編集した雑誌や、小池が企画したイベントのポスターなどが展示されていたが、見覚えのあるものが多く、とても懐かしく感じた。 無印良品というスペースでは、小池が現在もアドバイザリーボードを勤めている無印良品の様々なコピーが展示されていた。 佐賀町というスペースでは、小池がオルターナティブ・スペースとして作った佐賀町エキジビット・スペースで展示された、大竹伸朗、横尾忠則、森村泰昌らの作品が展示されていた。 その中で、ヨルク・ガイスマールというドイツ人のアーティストの、領収書に描かれたドローイングの作品がとても印象に残った。 An exhibition that looks back on the activities of Kazuko Koike, who has been active as a copywriter, editor, and creative director. The venue was divided into three spaces. In the space called Meson, magazines edited by Koike and posters of events planned by Koike were exhibited, but many of them were familiar to her, and she felt very nostalgic. In the space called MUJI, various copies of MUJI, for which Koike still works as an advisory board, were exhibited. In the space called Saga-cho, works by Shinro Ohtake, Tadanori Yokoo, Yasumasa Morimura and others exhibited at the Saga-cho Exhibit Space created by Koike as an alternative sp

趙孟頫とその時代 復古と伝承(書道博物館) Tradition and Revival Zhao Mengfu and His Times (Calligraphy Museum)

  東京国立博物館と共同開催された、元時代の趙孟頫と同時代あるいは後世の書家たちの作品を集めた展示会。 お正月には東京国立博物館の方を訪れたが、今度は書道博物館の方を訪れてみた。 この博物館の特徴でもある、2階まで吹き抜けになっている巨大な展示スペースには、趙孟頫の草書による巨大な2つの軸が展示されていて、とても見応えがあった。 2階の展示スペースには、五島美術館からの王羲之の黄庭経や、三井記念美術館からの欧陽詢の書などどともに、彼らを敬愛していた趙孟頫の蘭亭序などが並べて展示されていて、その関係性がよくわかった。 趙孟頫時代も日本に大きな影響を与えた。江戸時代の狩野養信が、趙孟頫の竹石図軸を写した作品などは、そうした影響をよく表していた。 An exhibition of works by calligraphers of the same period or later as Zhao Mengfu of the former era, which was jointly held with the Tokyo National Museum. I visited the Tokyo National Museum on New Year's Day, but this time I visited the Calligraphy Museum. The huge exhibition space, which is also a feature of this museum and has a colonnade up to the second floor, has two huge axes by Zhao Mengfu's cursive script, which was very impressive. In the exhibition space on the 2nd floor, Wang Xizhi's Huangba Sutra from the Gotoh Museum and Ouyang Xun's book from the Mitsui Memorial Museum, as well as Zhao Mengfu's Lantingji Xu, who admired them, are

都の神 やしろとまつり 賀茂別雷神社の至宝(國學院大學博物館) Treasures of Kamo-wake-ikazuchi Jinja (Kokugakuin University Museum)

  賀茂別雷神社は、いわゆる上賀茂神社のこと。規模は小規模ながら、所縁のある國學院大學博物館で、貴重な品々が展示された。 上賀茂神社は、都ができる前からこの地にあった古い神社で、続日本紀に桓武天皇は遷都前に神社に供物を奉納している。 展示で印象に残ったのは、源頼朝、足利尊氏、織田信長、豊臣秀吉などの歴代の支配者たちによる、安堵を伝える書状。 伝統のある神社といえども、そうした権力者たちに安堵してもらうことで、これまで長くその営みを続けてこれたのだろう。 Kamo Betsurai Shrine is the so-called Kamigamo Shrine. Although the scale is small, valuable items were exhibited at the Kokugakuin University Museum, which has a close relationship. Kamigamo Shrine is an old shrine that existed in this area before the capital was built, as Shoku Nihongi, Emperor Kanmu dedicated offerings to the shrine before the relocation of the capital. What impressed me at the exhibition was a letter of relief from successive rulers such as Minamoto no Yoritomo, Takauji Ashikaga, Nobunaga Oda, and Hideyoshi Toyotomi. Even if it is a traditional shrine, it seems that it has continued to operate for a long time by having such powerful people relieve it. 『源氏物語』にも登場する葵祭についても資料も展示されていて、そちらも興味深く見ることができた。 Materials about the Aoi Matsuri that appea

アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア(チェコ文化センター) LOOS AND PILSEN (Ceske Centrum)

  チェコ文化センターで行われた、アドルフ・ロース展。 ロースといえば、ウィーンの建築家というイメージが強いが、チェコのプルゼニュ市の裕福な人々と建築の仕事を通じて、深く交流していたという。 ロースは現在はチェコになっているブルノの出身。それを考えれば、その関係は決して不思議なものではない。 地下室のスペースに、ロースとプルゼニュ市の人々の関係や、ロースの設計した家の模型などが展示されていた。 ”装飾は犯罪である”と論じ、装飾にあふれたウィーンの街を”ポチョムキン都市”と言い切った、過激な言葉で知られるロースの建築は、まさにモダン・デザインの典型的な建築だ。 それらの模型を見ていると、ウィーンを訪れた際に、豪華なハプスブルグ家の宮殿に対峙するように建っているロース・ハウスのファサードを目にした時の強烈な印象が、静かに蘇ってきた。 Adolf Loos exhibition at the Czech Cultural Center. Loos has a strong image of being an architect in Vienna, but he is said to have deeply interacted with the wealthy people of the Czech city of Plzen through his architectural work. Loos is from Brno, now Czech. Given that, the relationship is nothing strange. In the space of the basement, the relationship between Loos and the people of Plzen and the model of the house designed by Loos were exhibited. Known for its radical language, Loos's architecture, which argued that "decoration is a crime" and called the city of Vienna full of decoration "Pochomkin

徳川一門 将軍家をささえたひとびと(江戸東京博物館) Tokugawa Clansmen: The People Who Supported the Shogunal Family (Edo Tokyo Museum)

  4月から長い休館が予定されている江戸東京博物館で、休館前に行われた企画展は、この博物館らしい徳川家についての展覧会だった。 江戸幕府は、宗家の後継が絶えてしまった場合を想定していわゆる御三家を置いていた。その御三家を含めた徳川一門の流れをたどるという内容だった。 御三家の系譜、家康や吉宗など歴代将軍の肖像、紅葉山八講法会など行事の絵巻物、徳川斉順所用の鎧兜、天璋院所用の雛道具などが展示されていた。 前に同様の企画が行われていたことや、休館を間近に控えていたこともあってか、常設展示スペースの一部を使った企画展として行われていた。 しかし、しばらくこの博物館に来れなくなってしまうことを考えると、大々的な特別展として実施して欲しかった。 At the Edo-Tokyo Museum, which is scheduled to be closed for a long time from April, the special exhibition held before the museum was closed was an exhibition about the Tokugawa family, which is typical of this museum. The Edo Shogunate had a so-called three-family house in case the successor to the Soke family disappeared. The content was to follow the flow of the Tokugawa Ichimon, including the three families. The genealogy of the three families, portraits of successive shoguns such as Ieyasu and Yoshimune, picture scrolls of events such as the Koyoyama Hachikokai, armor helmets for the Tokugawa Nariyuki, and chick tools for the Tensho-in were exhibited. It was held