パリ・オペラ座展の開催時期に、ART in BOXという特集展示が行われていた。 それまでの美術の概念を次々に壊していったマルセル・デュシャンは、自分の作品を箱に納めて、持ち運べる美術館というコンセプトを発表して、世間をざわつかせた。 そして、そこから様々なボックス・アートが生まれていった。 ジョセフ・コーネルは、ボックス・アートの一つの形を作り上げたアーティストと言っていいだろう。 シュルレアリスムを日本に紹介した瀧口修造は、中西夏之、野中ユリらの作品を集めて自らも独自のボックス・アートを制作した。 実験工房の山口勝弘のヴィトリーヌは、ガラスを組み合わせて不思議な視覚のマジックを感じさせる作品だが、同時にボックス・アートという側面も持っている。 そして、フルクサスのジョージ・マチューナス。デザイナーであるマチューナスにとっては、様々な小さなアート作品をボックスに納めるのは、お手のものといったところだろうか。 それほど作品数のある展示ではなかったが、ボックス・アートの様々な変容を楽しむことができた。 A special exhibition called ART in BOX was held at the time of the Paris Opera exhibition. Marcel Duchamp, who had broken the conventional concept of art one after another, created a stir by announcing the concept of a museum where his works could be put in a box and carried around. From there, various box arts were born. Joseph Cornell is an artist who created a form of box art. Shuzo Takiguchi, who introduced surrealism to Japan, collected the works of Natsuyuki Nakanishi, Yuri Nonaka, and others to create his own original box art. Kat